日本維新の会が負けた原因4つ 国民の多くは陰謀論的な現状認識をしている

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こんにちは、蒼生です。

衆議院選挙が終わり、多くの人の予想通り自公が大敗しました。かわりに立憲と国民民主党が躍進し、れいわ、保守、参政党も議席を増やしました。代わりに野党で一人負けしていたのが維新の会です。

(小選挙区は維新がいなかったので国民に投票、比例は維新。全国の田舎では自民または立憲共産という選択肢がない場所がたくさんあるので、そういう所に候補者を立てたほうがいいと思う)

自分は今回、現役世代のためにもっとも踏み込んだ社会保障改革を公約にしていた維新に投票したので、残念過ぎる結果です。特に社会保障改革について踏み込んだ主張をしていた政調会長の音喜多氏が落選してしまったのが痛すぎます。

なぜ野党が軒並み議席を増やす中、維新だけが議席を減らしたのか、不思議でした。

維新の敗因① 多くの国民は陰謀論的な現状認識をしている

維新の敗因について面白い分析があったので紹介、元ツイートもぜひ見てください。

私もこれには驚きました。

日本国民の8割弱が、財政赤字の原因が政治の無駄遣いだと本気で思っているようなのです。

そして3割が公務員の給料が高いと思っていて、けた違いの無駄遣いである社会保障が原因だと知っているのは、わずか2割に過ぎないのです。

これは一度でも歳出グラフや社会保障給付額についてみた事があれば、ありえない認識です。政治の無駄遣いと社会保障の無駄遣いは桁が数個違います。アリと像位の差があります。

つまり、

国民の多くが間違った現状認識に基づいた「陰謀論」にはまっている状態

のようです。

どうりで「裏金」というワードが世間を席巻し、裏金追及しかしていないのに亡国政策を数多く掲げる立憲がなぜか躍進するわけです。(立憲に投票した人達は、多くが公約も読まない人達だと思う。読んだら、論外すぎて投票できない…。でも仮に政権をとってその公約を実行したら、投票した人達は裏切られたとか言い出すんだろうな。)

確かに、以前の選挙で維新がもっとも訴えていたのは、文通費の無駄遣いです。

これは、奇跡的に「国民の陰謀論的現状認識」と維新の「改革の一部」がマッチして、いっきに躍進しました。

でも維新は勝利の原因を「改革」だと誤認し、今回も愚直に改革を打ち出していました。

現状の問題を正しく知っている人達にとっては、維新の医療制度改革は、文通費等くらべものにならないほど重要な改革であり、これを見てまともな野党がでてきた!と歓喜しました。

でも、社会保障が戦前の日本の軍事費に匹敵する巨額の無駄遣いだと知っている国民はわずか2割です。だからいくら説明しても刺さらず、むしろ裏金批判しかしていない立憲のほうがわかりやすく(間違った現状認識とも合致)勝敗を分ける結果になっています。

国民の多くが間違った現状認識をしてしまう原因は、一つはオールドメディアです。次に、そうした情報を好んで消費する国民の側にあります。

維新の敗因② 高齢者を敵にまわし、他党に批判材料を与えた

維新が網羅的な医療制度改革を訴えた結果、高齢者を主な支持者として抱えている公明や立憲や自民の一部が維新叩きに走りました。

特に公明の維新叩きが激しかったようです。現状を間違って認識している人々は、なぜ政治家の無駄遣いを批判せずに「弱者」である老人をたたくのかと思ったようです。老人が弱者だと本気で思っているあたりが、無知のなせる業だと思います。

実際は、自公の長年の高齢者よしよしがいきすぎて、今の高齢者は本当の弱者から様々な資源を奪い、国を傾かせている状態です。昔の軍部に匹敵。

高齢者よしよしという既得権を得ている人々は、もちろん今の権利を手放したくありません。

だから維新の主張の一つ、一律3割負担がかなりきいたようです。普通に考えたら、現役と同じ3割負担になるだけなので全く妥当な政策ですが、長年の自公の高齢者よしよしになれきった今の高齢者は、負担が増える事を強烈に嫌悪しました。それがわかって、他党も維新に投票すると老人いじめが始まるとか、3割負担になって病院に行けなくなる、等のネガティブキャンペーンを行い、それが功を奏したようです。

悲しいのは、2024年の高齢化率は29.3%だということです。4人に1人が高齢者です。

今の高齢者の多くは、忍耐強い戦前世代とは違います。バブルを謳歌し崩壊後は氷河期世代に雇用調整を押し付け、今は戦前世代の老後を支えるために作られた社会保障制度に乗って、孫子の世代の富を食い荒らしている苦労を知らない一番恵まれた世代です。世界的にみても、この世代はなぜか傲慢という統計が出ているようです。

カスタマーハラスメントを一番するのも、学校や幼稚園に謎のクレームを入れているのもこの世代です。

苦労を知らない世代だからこそ、既得権がはぎとられるという改革に強い嫌悪感を示します。

彼らは、孫子の世代の富が、社会保障の原資だという事実を見ようとしません。

一番ひどいのは、この制度を維持すれば、将来世代も同じように楽できるという間違った認識を持っていたり、そう信じようとする人達がいる事です。この嘘を信じているのが、団塊ジュニア世代です。自分もいずれ老人になるので、将来世代の破滅よりも、自分が逃げきりたいと思うようです。

維新の候補者に突撃する高齢者👇こういう人達に若者世代の貴重な富が移転しているなんて絶望的すぎる。

しかも今回の選挙でも、もっと年金払えと要求する人達がたくさんいた。もう財源を現役世代限定の社会保険料から消費税にかえて、高齢者にも消費に応じて応能負担させるべき。でも消費税は毛嫌いするので、耳障りのいいことしか言わない”れいわ”がのびる。

維新の敗因③ 国民の多くに改革マインドがない…痛みを受け入れられない

昔、小泉政権の時に「痛みを伴う改革」とかいうワードが流行っていたぽいんですが、当時と今では高齢者の質が違います。

2007年の高齢化率は21%でしたが、まだ戦前の「辛抱強い、痛みを知る」世代が多くいたので、国のためならと改革を支持した人達が多くいました。でも今はもうほとんどいません。苦労を知らない団塊世代が主で、下の世代を搾取してでも自分たちの権益を守ろうとしています。(選挙結果)

今後高齢化率が上がっていけば、より改革は難しくなっていくのではないかと思います。

社会はより硬直化し、労働者は少数派になっていき、社会保障で国が傾きます。

自公が先延ばしを続けた結果です。

高齢者以外に問題なのが、解雇規制緩和への強烈な抵抗感です。

これは自民党の小泉氏が主張して、いっきに支持率を下げる要因になりました。

高齢者だけでなく、現役世代の中にも改革を忌避する層が一定数います。

維新は医療制度改革で高齢者を敵に回し、解雇要件の明確化(解雇規制緩和とネガキャンされる)でれいわや立憲や無党派の現役世代を敵に回し、全方位に敵を作ってしまったのではないかと思います。

こういう層の多くは公約を読まないので、維新が本当は何をしたいのかわかりません。(読んでもわからない可能性も)

そのため、他党のネガキャンを真に受けて、「弱者にやさしくない維新」というレッテルがはられて、左派的な人達が反維新になる原因になっています。

改革はしてほしいけど、自分たちが割を食うのは嫌だ。というのが有権者の多数派のようです。

だから文通費の時はうけました。悪いのは政治家だからです。

今回、むやみに裏金を叫んでいた立憲は大躍進しました。

自民党の悪口だけ言って踊っているれいわですら伸びました。

このことから導き出せるのは、他責の改革は大うけする。自責の改革は受けない。(国民に痛みがある)という事です。

でも、日本社会が停滞している原因を取り除くためには、幅広い改革が必要です。特に社会保障等は待ったなしで、大きな痛みが伴います。

でもこれを国民の側が拒否するのなら、いずれ日本も国民の半数が公金で生きていたせいで財政破綻したギリシャのようになるはずです。

維新の敗因④ 改革のメリットを提示できていない

維新の改革の多くは必要なものであり、しっかり理解できる層にとっては支持できる理由になります。

でも選挙期間中は短すぎてしっかりした有権者教育はできません。そもそも知的レベルの問題で、それを理解できない人達も大勢います。

だから、この党に投票したらどんなメリットがあるのかを訴える必要があります。

自公政権がばら撒き続けるのもそれが理由です。

国民民主党が躍進したのは、メリット訴求に特化していたからです。

「手取りを増やす」という、わかりやすいキャッチフレーズが多くの無党派の心をつかみました。

国民の場合、メリット訴求(手取りを増やす)→どうやって(103万の壁、社会保険料、他)という話の構成になっていますが、

維新の場合は、改革の必要性ばかりを訴えていて、あらかじめ問題認識を持っている人達にしか刺さらないようになっています。

今回国民は、103万の壁を178万に引き上げるという内容が多くの有権者に刺さりました。細かい事は言いません。

国民の支持が広がっている原因の一つは、政治無関心層でもわかる事しか説明しないからだと思います。難しい事を説明しても聞いてもらえません。それがわかっていて、演説の内容を選んでいるのではと思います。なぜなら理解できない事を人前で言うと、その人自体の評価が下がるからです。人は理解できるレベルのものしか許容できません。

また、社会保険料改革については、下げるとしかいいません。どうやっては説明しません。資産家への課税というかなり左翼的な考えもあるようですが、それは文字を読める人達にしかわかりません。だから、どうやって下げるのかはわからないけど、何とかしてくれるという「謎の期待感」で押し切る事ができました。

対する維新は愚直に世代間格差の問題を”丁寧に”説明しています。対象が政治に関心があって知的レベル高めの人を想定しているのかもしれませんが、そうではない人が大多数です。

だからそうした問題認識がない人達から「弱者いじめの維新」と誤認されてしまうのです。

これは本当に残念です。

伝え方が9割と言いますが、伝え方が悪すぎて、正しい改革への理解を全く得られなかったのが今回の選挙戦だったのではないかと思います。

(そもそも社会保障を改革すべきという認識を持っているのが2割なので、理解を得られても広がらない)

維新の敗因まとめ

①国民の現状認識が陰謀論的に間違っているという現実を認識できていなかった。

②他党に批判しやすい材料を与えた(一律3割負担は分かりやすいが諸刃の刃)

③国民の多くが自責を拒み、必要な改革を受け入れられない

④メリット訴求ができていない

こうやってまとめてみて、暗澹たる気持ちになります。

民主主義は、国民のレベルに等しくなるといいますが、だから今の状態なんだろうなと改めてわかりました。

現役世代が奴隷化している原因である、社会保障改革に先陣きって切り込んだ音喜多政調会長が落選したのは本当に残念です。現役の味方が国会からいなくなりました。後先考えないシルバー度がまた増してしまいます。

次の選挙で帰ってきてほしいと思います。

国民民主党の躍進とYouTube

今回大きく議席を伸ばしたのが国民民主党です。勝因は、自民立憲と競合しない若年層に絞ったターゲット戦略、わかりやすいキャッチフレーズ(手取りを増やす)、メリット訴求等があります。そしてもう一つが代表玉木氏のYouTube運営です。

国民民主党支持者の様子を見ていると、押し活でもしてるようなノリがあります。

おそらくYouTubeから玉木氏を知って、玉木氏のファンになって、ついでに国民民主党支持者になっているのだと思います。

20代30代の比例票は国民民主党が立憲を超えました。これは政策だけではなく、SNSの運営が上手いから支持を広げていったのではと思います。

政治家YouTuberの勝ち筋を見つけた玉木氏

玉木氏のYouTube運営は、他の政治家YouTuberと違います。

おそらく、自民や立憲のような巨大政党ではないため、まず知ってもらう所から始めようという事で、ネタが尽きる事もないし、トレンドで瞬間風速が出やすい時事ネタ解説を始めたのだろうと思います。

時事ネタ解説は常に需要があり、突然おすすめにのることがあります。

現在無党派層は6割ほどいます。彼らは政党色が強い動画は最初から見ません。だから多くの政治家YouTuberはこの時点で間違っています。自分の党の主張をYouTubeで解説しても、もともとの支持者しか見てくれません。ファン化を促すなら有効ですが、支持を広げるという点ではあまり効果がありません。

でも時事解説なら、支持者ではない人達も興味を持ってみてくれます。そしてその解説内容が良ければ登録してくれて、繰り返し見てくれる可能性があります。(そしていずれ教育されてその政党の支持者になる。国民民主党の支持者がそれ)

たまきちゃんねるは、気のよさそうなおじさんがホワイトボードを使って時事ネタを解説するという体なので、無党派層や政治無関心層にも見やすい作りになっています。

しかも、視聴者がわからない事を学ぶ「生徒の役割」になっているので、チャンネル主が教師になっていて、その言動を信頼しやすくなります。

特に、玉木氏や国民民主党を知らないけど、YouTubeのおすすめにあがってなんとなく見始めたという層には、効果は抜群です。彼らは他党の教育を受けていないし、政治知識も全くないので、玉木氏が言う事を批判する余地もなく、すべて信じてしまいます。(解説の中に政党の主張を少し入れてくるので、それもそのまま信じて受け入れる。批判する知識がないから。MMT信者もそれで信者になっていく)

池上彰のニュース解説が昔大人気だったことからもわかるように、ニュースをわかりやすく解説するというのはかなりの需要があります。

しかも、気のいいニュース解説おじさんだと思ってノーガードで見ているうちに視聴者は教育されていくので、実は国政政党の党首だったとなれば、信者は必ず投票します。これを逆の順番ですると、支持者しか見てくれません。(国民民主党チャンネルとたまきチャンネルを分けているのも重要)

選挙に行かない人達の政治への心理的抵抗はかなりのものがあります。

でも、今回の投票率の低さを見てもわかる通り、政治に既に関心がある層を動かすよりも、無関心層を教育して掘り起こすほうが大切です。

なぜ投票に行かないのかの理由のうち、「わからないから」というのがかなりあります。

たまきちゃんねるは、この層を掘り起こして教育しているから、支持者が増えたのではないかと思います。

維新も、若年層にターゲットをしぼって、無知無関心層を教育するためのニュース解説チャンネルとか立ち上げないと、国民民主党との差を今後も広げられていきます。

維新に限らず、全政党がニュース解説チャンネルを作って政治無関心層の掘り起こしをすれば、日本の低すぎる投票率も少しは上がるんじゃないかと思います。

投票率は上げないといけません。

たとえば、投票率が低すぎて絶望的な状況になっている自治体の一つが、埼玉県川口市です。外国人の傍若無人さや犯罪が多数問題になっていますが、R5年の投票率はわずか19%です。ここまで低いと、今の惨状は川口市民の自業自得ではないかとさえ思います。

もっと国も地方も投票率が上がらないと、めちゃくちゃな状態になります。

投票義務化ができないのだから、有権者がもっと高い意識をもって選挙に臨まなければなりません。

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