裏金問題と、三権分立の問題。政党と一蓮托生になっている総理

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こんにちは、蒼生です。

自民党清和会(旧安倍派)の裏金の額がとんでもないという事でついに二階派と共に強制捜査になったそうです。

昔自民党が色々な献金スキャンダルを起こして、必要に迫られて作られた政治資金規正法ですが、そもそも泥棒する意図のある人々に規正法作らせるのが問題なんじゃないかと思います。そんなの抜け穴を作るにきまっているし、そのあらかじめ作ってあった抜け穴を利用して、さらに適当な事をしていたということで、国民感情的には完全に黒でも、法律的にはどこまで黒として裁けるのか分かりません。

野党がお金の流れを透明にする法案改正を求めているようですが、

政治家という職業で食っている議員がめちゃくちゃ多い今の状態で、自分たちをストイックに縛る法をどこまで作る事ができるのか、疑問があります。

台湾では国民の間で政治について考えるプラットフォームがあるらしく、そこで一定数以上の支持を集めた問題については、国会で審議しなければならないというルールがあるらしく、そういう議員以外のルートで法案を作る直接民主主義的な仕組みがあったら骨抜きではない実行力のある規制ができるかもしれません。

直接民主主義は国のサイズが小さいとうまくいくみたいですが(意思疎通や管理の問題で)、台湾のようにネットを利用すれば疑似的に国のサイズを小さくして議論することができるのではないかと思います。

いくつかの派閥のせいで国会が止まっている問題

私が今回の件で一番問題だと思っているのは、安倍派と二階派という自民党の一部派閥の問題行動のせいで、国会が止まっている事です。

本来これほどインフレが進んでいて、北朝鮮も挑発をしてきていて、国際情勢も緊迫している中で、なんでこんなどうでもいいことで国会が止まってしまうのかと思ってしまいます。

統一教会の時も、主に清和会のかつての問題行動が明るみに出て、安倍元総理が亡くなったので岸田総理が代わりに答弁をして被害者救済法を作ることになりました。

日本の場合、自民党の総裁が総理になります。自民党総裁は自民党員と国会議員によってえらばれます。大統領制のように国会議員とは別に選ばれた存在ではありません。つまり三権がきっちりわかれていないので、自民党(一政党)の問題が行政の長に直接行ってしまうという問題があります。

岸田総理の失態失策を国会で追及するのは国民の多くが望むところですが、自民党の内部の問題(しかも岸田総理関係ない)を国会で取り上げて総理を追求し、そのせいで他のもっと重要な議論が全部止まってしまうのが残念でなりません。でも今の日本の構造上、どうしてもやむをえないものがあります。(犯罪を犯したらつかまればいいし、それを防ぐ法律がいい加減というのであれば、議論して改正するのは意味があるとは思うけど)

この三権分立をしっかり機能させるには、憲法改正に着手しなければなりません。よほど胆力のある政治集団がいなければまず不可能です。

自民党は右から左まで一番議員が集まっている政党

私は自民党支持ではありません。無党派です。

そのため選挙の度にすべての政党の公約を読んでから投票するようにしています。

公約を読むとその政党の方向性や実力がわかるし、自分が知らなかった事も多く学ぶ事ができるからです。

全政党の公約を読んで一つ確かに言えるのは、自民党には右から左まで幅広く有能な議員がいるという事です。これは他党の追随を許しません。だからとりあえず脳死で自民党に投票しようとする人々がいるのも理解できます。

日本の場合、長年自民党という一政党が与党として政権を掌握してきたせいで、本当に志があって能力が高い人は右から左までみんな自民党にいって国政に携わろうとします。そのせいで自民党には幅広い議員が集まっています。

日本はめったに政権交代がおこらないので、外国人から見ると独裁に見えると思います。

でも実態としては、自民党の中で政権争いをして、疑似政権交代をしてきたという歴史があります。

だから自民党の公約アイデア集の中には、これは矛盾しないか?というような内容が散見されます。こんなに幅広くいたら当然そうなると思います。

でも自民党の中のどの勢力に政権をとらせるかというのは、国民は一切関与できません。そのため選挙で自民党に投票することは、事実上の白紙委任状になってしまいます。

だから最近ではもともとの自民党支持派の人々が自民党に怒っています。あれは彼らの期待する自民内の勢力が権力争いに負けて対抗する側が勝ったから怒っているのです。

自民党は右から左まで幅広い思想をもった議員を包含する政党なので、そういう一風変わった事がおこります。

一政党と行政の長が一蓮托生になっている問題

今回の件もそうですが、一政党の問題で行政の長が責任追及されるのは構造的に問題があると思います。

これは逆のパターンもあります。日本の総理はかつて数か月おきにコロコロ変わりました。

数か月おきに行政の長が変わるなんて、政治不在と同じですし、外国の首相と会う時はどんな顔をしていくのかと一国民として心細くなります。

総理がコロコロ変わる問題は、支持率が低い総理では選挙に勝てないので、人気がある人を総理に差し替えて乗り切ろうとするために起こるそうです。つまり議員側の都合です。

最近では菅前総理の時におこりました。

菅前総理は一年という短期間で今まで多くの総理が実現できなかった大改革を矢継ぎ早におこなった総理ですが、高齢者の保険料負担を1割から2割に上げたせいで多くの高齢者の不満を買ってしまいました。時はコロナで社会的な不満も高まっており、多くの実績が評価されることもなく支持率だけは下がり続け、このままでは選挙で戦えないという水準にまでなってしまい総理の座を引きずり降ろされてしまいました。

これがもし、市区町村の首長のような直接選挙で選ばれた総理であったなら、あんな形では引きずり降ろされなかったと思います。国民の期待を背負って行政の長になったという権力の裏付けがあれば、社会の大改革ももっとできたはずです。

現状の、国会議員たちに選ばれた総理という立場では、国民の側を向いた政治をやりぬくことはできないのではないかと思います。

だから日本はずっと変われず、現状維持のまま衰退し続けているのかもしれません。

今の日本の問題は、既得権を守りすぎている事や、大多数の高齢者の票を重視しすぎた政策になっているせいで起こっています。そこに切り込もうとすると激しい抵抗を受けます。特に高齢者の権利を削るような政策をしたら瞬く間に支持率が下がります。

政治家という職業で食っている人々にとって落選はもっとも恐ろしい事なので、本当の改革なんて絶対にできません。

これは一人二人、覚悟を決めた政治家がいるくらいではだめで、もし本当に国のために大改革をやるという事になったら

総理の決断に従って、全員が腹を切る覚悟の与党議員たちが必要です。

でもそんな事無理なんじゃないかと思ってしまう現状があります。なにしろ、大改革をした菅前総理が一年で引きずりおろされるくらいなので。

自民党に代わる政党が必要

自民党は右から左まで幅広くいる政党なので、自民党に投票する事は白紙委任状を出す事に等しいと言いました。

この問題が起こっている一番の原因は、自民党以外に国民に支持される政党がない事にあります。

ほんとうに能力があって政治をやりたい人は自民党に行ってしまうというこの問題を変えるには、自民党以外の選択肢を示す必要があります。

その非自民の実力ある政党が国民から幅広く支持される必要があります。また国民の側も多少のミスで目くじら立てて失望せずに、辛抱強く自民党に代わる政党を育てる必要があります。

だから選挙の時はなんでもいいから一票誰かに入れたらいいと思うのです。

最初は訳が分からなくても、だんだん興味をもって調べ始めます。最近は政治家の側もYouTubeやSNSで発信をしているので、自分の主張にあった人を見つけやすくなっています。

まずは一票。投票に行く。投票の物理的、心理的ハードルを下げる。

これが必要な事なのではないかと思っています。

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