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こんにちは、蒼生です。
先日も紹介した農林水産省がスマート農業に関する新しい資料を公開しました。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/attach/pdf/index-198.pdf
これがかなり面白くてワクワクする内容なので、いろんな人に見てほしいと思います。
農業を変革する新しい技術
日本の農業は長年低生産性を許し、そのせいで様々な問題を抱えてきた側面があります。
まず産業として、生産性が低いというのは致命的な事です。
生産性が低いというのは、利益が少なくなるという事なので維持が困難になります。他の業界であれば、生産性が低ければ自動的に滅びていく運命ですが、食料という命綱なせいで国が様々な手当をしてどうにか存続させている状態です。
その一つが今様々な社会問題を引き起こしている現代の奴隷制とも揶揄される「技能実習生問題」です。農業のような生産性が低い業界では、まともな給料をはらえず日本人が集まらないので、無理やり海外から安い労働力を集めて働かせています。そのせいで逃げ出す技能実習生が後を絶たず、彼らは様々な犯罪に手を染めてよく検挙されています。(大麻栽培や強盗や窃盗等…。彼らは日本人と違いたくましいので、生きるために様々な犯罪を犯し始める)
農業のような業界は、低生産性を許し、その状態を無理に維持させることで、より大きな問題を雪だるま式に発生させています。
その問題を解決するために、大規模化や株式会社化等が今まで議論されてきましたが、
最近のAIのすさまじい進化もあって、ここにきてスマート農業という新しい選択肢がでてきました。
(これはどちらかではなく、両方行ったほうがいい。ただ、順番としてはスマート農業の実施⇒大規模化に進むべき。でないと、非効率を改めずに人力ですすめて、プランテーションのような状態になる。今の日本で人海戦術みたいな事はできないし、一人当たりの生産力も今と変わらないという事になる。必要なのは一人あたりの生産力の向上)
熟練の技を初心者でも使えるようにするAI技術
AIのすごさといえば、各種生成AIを見ればわかるように、特別だったスキルを万人が使えるようにした点にあります。
絵やプログラムや論理的文章等、今までそのための訓練を長年つんできた人達にしか使いこなせなかった技術を、何の経験もない人々が、Aiの力を借りてすぐに扱えるようになりました。そのせいで今まで訓練をつんできた人達が脅かされてAI排除を叫んでいますが、これを農業のような極端な人手不足に悩む業界に適応すれば、熟練の農業経験者の知識を新人にインストールすることができ、人手不足が解消します。
資料の中で紹介されていたのは、農作物の収穫の際に「スマートグラス」を使って収穫可能かAIが判定するものや、機械が自動で判定して行うものなど様々ありました。
農業が抱えている問題の一つが、後継ぎがいないという事です。
今までの農業は負担が大きいのに利益が少ないので、離農したり、子供が農業意外の安定した職について後継ぎがいなくなるという問題がありました。
これも農業の生産性が低いために起こっていた問題です。
今までも農業の担い手不足を解消するために、国は新規就農を支援してきました。でも、新規就農者はいきなり成功できません。自然相手に様々な知識と経験をつむ必要があり、軌道にのるまでにはある程度の時間が必要でした。
しかしスマート農業でAIを駆使して、熟練の農業の担い手と同じ能力を機械を使ってインストールしてしまえば、学習コストと時間が短縮されます。アルバイトでも即戦力になります。
しかもAI搭載の機械を使う事で、今まで重労働故に就農が難しかった女性に対しても仕事の道が開かれたそうです。
女性は男性に比べてどうしても重労働には向きません。筋肉量と骨格が違うので、そうした事にそもそも対応できる体になっていないからです。
でもそうした機械を導入することで、今まで農業に参入できなかった”人口の約半分”に対しても就農の機会が開かれる事になったのです。
農業は生産性が低くて重労働、という今までの当たり前を新しい技術が大きく変革していっています。
スマート農業で同じ労働時間で2倍の仕事ができるように
AIを使う事で作業効率をあげた例が資料にはたくさんのっています。
人力ではコントロールが難しかった農薬の散布量をAIが自動化することで調整して61%削減したり(=農薬に使う経費が61%減るという事!)
その散布を人力からドローンに変える事で労働時間を短縮できたため、それまでの2倍の面積を作業できるようになり、さらに時間があいたため、他の作物の栽培までできるようになり収益性が大きく向上した事例等が紹介されています。
長時間労働なのに収益性が低いという農業の根本的な問題をスマート農業は解消できます。
逆の道に進んでドツボにはまろうとしているのが最近話題になった山梨県です。
山梨県では多くのベトナム人が就労しているらしく、働くなら山梨へ!というスローガンのもと、ベトナム人を集めるために独自の保険制度をスタートさせました。これは自己負担1割で母国の家族が医療を受けられる制度のようです。東京海上とベトナム人家族にとってはおいしい制度になっています。(自称家族・間違いなく家族と称する親戚が群がる。ベトナムの医者にとっても美味しい話なので、今の日本の医療問題と同じモラルハザードが間違いなく起こる。)
山梨県が補助金をいれるそうなので、山梨県民は激怒した方がいいと思います。
ここでも安い労働力の利益は企業が受け取り、その不利益は無関係な人と社会が払うという図式になっています。
生産性が低い業界を、安い労働力で延命させてはいけません。本来生産性が低くて労働者にまともに賃金を払えないなら、改善を行って生産性を上げるか、変われないなら、より強い企業に吸収されて業界が再編されていくべきなのです。それが資本主義です。
低い生産性を許すから、より大きな矛盾を生み出しつづけています。そもそも日本人どころかベトナム人もろくに集められない賃金というのは、相当な問題があると思います。それを税金を入れてこんなに特典がありますよアピールをして誰得なんですか。日本の破綻しかかっている医療費問題を見ればわかる通り、将来必ず取返しがつかない事になります。国はなかなかデフォルトしませんが、自治体なら夕張の例がありますから。本当に愚策としかいいようがありません。
こういう所にこそ、新しい技術をいれて聖域なき効率化を行っていくべきです。
スマート農業で外貨獲得産業を作る
AIの分野はもうアメリカには勝てませんが、ロボティクスの分野はまだいけます。農業に特化して生産性を劇的に上げる新しい機械やサービスを作る分野は、まだ隙間だらけの新しい領域なのでスタートアップが入ってきやすい業界です。
そこでいい製品をつくれば、重労働低賃金の農家を救う事ができます。
そして日本で成果を上げられたという事は、同じような問題を抱える他の国に対しても問題解決できるという事なので海外に対して輸出することができます。特に食料不足で悩む発展途上国に対して、農業指導の一環として農業用機械を輸出・提供することができれば彼らの問題を解決することができます。(特に貴重な水の使用量を減らせる技術は需要があると思う)
そのために必要なのは政府の支援です。
今の低い生産性の農業の維持をいくら補助金で支援しても、ざるに水をためるようなものですが、スマート農業支援を行い、農家自体の生産性を劇的に向上させることができれば、農家の根本的な問題は消滅します。
開発側に対しては資金を、使う側に対しては使用方法の教育やサポートを行う流れがあれば、この業界は成長していきます。
(その辺も資料に詳しくのってるので見てほしい)
業界が成長すれば工場ができて、そこで新しい雇用が生まれます。工場は都会には作れないので、おそらくほとんどの場合は地方に工場を構える事になり、仕事のない地方に産業ができて多くの人を雇用し地域の活性化につながります。
若者が都会に流出するのは仕事がないからなので、新しい産業を地方に作る事ができれば流出を食い止める事ができます。
失われた30年は外貨を獲得する産業を作れなかったせいでおきました。
ロボティクスは日本の得意な分野です。大学とも連携し、新しい技術の発明や産業の創出につながってほしいと思います。
とにかく面白い資料なので、ぜひみんな読んでください。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/smart/attach/pdf/index-198.pdf
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