「水」がこれからの石油になる時代

gray and brown mountain考え方
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こんにちは、蒼生です。

昔買って放置していたエヌヴィディア株がものすごく上昇してて驚いています。

AIを動かすためにエヌヴィディア等の半導体が大量に必要で、世界的なトレンドと需要にのって株価が大幅上昇しているようです。

エヌヴィディア株はGoogleで有名なアルファベットを抜いて米企業全体で3位になったそうです。

GAFAの牙城を突き崩すAIトレンドのすさまじさにただただ驚いています。

GoogleがChatGPTの出現でコードレッドを発動して戦々恐々としていますが、世界のGoogleがもしかしたら終わる時代が来るかもしれません。

AI時代に必要になる資源が二つあります。

一つは電力です。AIはとんでもない量の電力を消費するので、それを安価で安定に供給できるところは優位になります。

でも、車のように、初期の頃はバカみたいにガソリンを食ってたけど、その後技術革新が進んで今ではわずかのガソリンでも長距離を走れるようになったのと同じように、電力消費の問題は今後必ず技術革新によって改善されていくはずです。

二つ目は半導体を作るために必要な上質な水です。半導体を作るには大量の上質な水が必要で、こればかりはなんともできないようで、半導体にとっての水は石油と同じです。しかも上質な水を大量に供給できる地域は世界の中でも限られています。

半導体には上質な水が大量に必要

熊本に半導体大手のTSMC(台湾企業)が来るということで熊本の田畑の地価が急上昇し、人も増えてかなり景気がよくなっているそうです。TSMCが日本に来たのはいくつか理由があると言われています。

  1. 一つは中国の台湾侵攻という最悪の事態にそなえるため
  2. 日本に工場をたてたらたくさん補助金を出してくれるから
  3. 台湾では水が足りなくて困っていたが、熊本なら上質な水が潤沢にある

①と③はとても重要です。特に熊本が選ばれた理由は、あのあたりには上質な水が潤沢にあるからだと言われています。確かに熊本の水はとてもきれいで、アトピーや肌荒れが治るとも言われています。

台湾では水不足が深刻で、TSMCの台湾工場では水を再利用するための装置を作って対策したようですが、それでもまだ足りず、地下水を特別に使わせてもらったりと本当に苦労しているようです。

半導体を作るためにはきれいな水が大量に必要なので、水を確保できないと半導体を作れません。

そのため、水資源が豊富な熊本に工場を作る事になったようです。

水は貴重な資源

日本は全国どこでもきれいな水が潤沢にあるので、これが貴重な資源だという認識を持っている人は少ないようです。

でも最近では水不足で多くの国が困っています。日本では台風の度に土砂災害が起こるほどの豪雨に悩まされていますが、日本でそれだけの量の水が雨となって降り注いでいるという事は、他の地域で干ばつが起きているという事です。

そのため、生活飲料にも困る国々がたくさんあります。日本人が海外に行ってまず直面するカルチャーショックは「水はタダじゃない」という事だと思います。他の国では綺麗な水はお金を出して買うものであり、貴重品なのです。

貴重な資源である水は、日本の豊かな食文化や伝統技術(着物等の染色はきれいな水がたくさんないとできない)、多様な生物の育成や美しい景観を土台から支えています

日本は水と森の国といってもいいと思います。

その水が、最新テクノロジーを支える半導体製造においても必要不可欠となれば、日本のアドバンテージを活かす時かもしれません。

特に電力消費を抑える最新の半導体を作るには、よりきれいな水がたくさん必要になってきます。

日本はかつて石油がなくて戦争をしましたが、これからの時代は水が石油のように価値ある資源になる時代です。

水を守る仕組み

熊本では地下水を守るために企業が農家に頼んで水田に水をはるようです。そうすることで水田を通して水が地下へと浸透し、やがて地下水になるからだそうです。

なぜ熊本がこうした義務を企業に対して課すようになったかというと、地下水の総量が昔と比べて急激に減ってしまったからだそうです。

原因は減反政策による水田の減少でした。コメの生産量を減らすために行った減反政策で、地下水の総量が激減するというまさかの結果がでてしまい、何よりも大事な水を守るためにこうした取り組みを行うようになったようです。

そのため地下水を利用する企業(コカ・コーラやソニー等)は地下水を枯渇させないように涵養事業(水田に水をはって地下水を増やす事業)をするそうです。

こうやって熊本では企業も一丸となって熊本の水資源を守っています。

熊本の地下水がなくなると、どうなるのかというと、まず人々は生活ができなくなります。

熊本では水道水の100%が地下水なのだそうです。(それもすごい事ですが)

それから温泉なども地下水なので、それも枯れてしまいます。昔突然温泉が出なくなった温泉宿という特集をテレビで見た事があります。

日本では水があまりに大量にあるせいで「湯水のように使う」という言葉があるほど水を贅沢に使いますが、地下水は石油と同じように本来は限りある資源です。

でも地下水が石油と違うのはちゃんと対策すれば、減ってもまた復元できるという点です。

もしその復元する力よりも多く使用してしまうと、地下水が枯渇してしまうため、熊本県側もその水資源を利用する企業側も水を守るための取り組みを行っています。

TSMCはこれから年310万トンの取水を行う予定だそうです。

熊本では従来130社で年間2260万トンの取水だったそうなので、より積極的な地下水涵養事業が必要になってきます。

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