移民受入で‐54.2億円という衝撃

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こんにちは、蒼生です。

移民について調べているときに、次の分析結果を見てびっくりしました。

移民受入で生じる負担は想像以上に大きい

移民受け入れ政策の費用便益分析

上記は色々計算してみた結果、メリットよりもはるかに大きな経済的負担があるという内容です。

具体的には‐54.2億円です。

相当なマイナスです。デジタル庁が今年システム関連予算で51億計上したそうなので、それが丸々吹っ飛びます。ただでさえ遅れている日本のデジタル化が移民政策をやった場合、そっちのマイナスで予算をねん出できなくなる可能性すらある話です。

今少子化対策の一つとして、生まれた子供に無条件にまとまったお金をばらまく!という案を色々な人が主張しています。

仮に生まれた子供に無条件で一千万をばらまいた場合、

54.2億円だと、542人の子供に1000万を配ることができます。

令和5年に生まれた子供の数は 770,759人らしいので、全員に1000万配った場合、7,707,590,000,000(7兆7075億9千万)必要です。

100万にした場合、770,759,000,000(7707億5900万)ですみます。(マイナンバーカード持ってて口座紐づけが完了している世帯限定なら、事務手数料もほとんどかからないのではと思う。100万でも多少効果はあると思うけど、社会的インパクトを与えて少子化を食い止めるためなら10年限定とかで1000万でもいいとおもう。もしくは必要なサービスの無料化で)

2023年の社会保障予算が年金60.1兆円、医療41.6兆円、福祉32.5兆円なのだから

1兆円くらい、楽勝でどこかから捻出できると思います。要はやる気の問題だと思います。

現状、若者から高齢者に日本の富が過度に分配されているという問題があるので、それを将来を担う子供に少し比重をずらす、と政治決断すればすぐにできる話です。しかし現状それを政治決断する事が出来ていません。

シンプルにやる気がないんだと思います。

そして、仮に人口の不足を移民政策で解消するという政治決断を行った場合、本来社会で公平に分配されるべき富は、移民政策によるマイナス面の中和に使われる可能性がある、という事を上記の分析は示唆しています。

(70歳以上の老人の医療介護に100万使うのと0歳児に100万プレゼントして親が使った場合とでは、社会的、経済的影響はどちらが大きいのか、すぐに予想はつくけど、誰か経済学者が数字で証明してほしい)

 

移民政策VS少子化対策

本来は、移民政策と少子化対策はまったく種類が違う話なので、同じ土俵で論じるべきではないものだと思うのですが、

少子高齢化による労働力不足を補うために移民政策を行うという話になっています。

私も先の分析資料を見るまでは移民政策の推進は、不可避だと思っていました。しかし、-54.2億円の経済的な負担が予想されるともなると話は違います。そこまでの経済負担ができるほど、日本は今余裕がある状態ではありません。社会の貧困化をその政策によって加速させる可能性があります。

たとえば、シンガーポールのように移民受入に相当なハードルを設けて強くコントロールする、という事であれば負の影響は限定的か無い可能性があります。でもそれはさすがに日本ではできないと思います。

数字の面だけで見ると、今は子供の数が少ないので赤ん坊に無条件に1000万円配って人口を増やす政策を行う方がはるかにリーズナブルなのではないかとさえ思います。成人するまでには20年ほど猶予がありますから、その間選択的に移民を受け入れ、負の影響が出ないようにコントロールしていくというのであれば社会も受け入れができると思います。

移民政策は、受け入れ体制を整える事とセットで行わなければなりません。

一番は教育の問題です。全く違うバックグラウンドを持った人々を受け入れ、日本で同化してもらうためには教育システムを確立してその中で教育する必要があります。また、法整備も必要です。日本の文化・伝統・法律を尊重し守る事が出来ない人を受け入れてはいけませんし、仮に法を犯した場合はどうするのか、という最悪を想定した強い法整備も必要だと思います。

移民受入はそうしたリスク対策を多層的に行わなければならない事だと思うと、そう簡単に受け入れできるものではないのかと考えを改めつつあります。そうした対策を行う予算と時間とエネルギーがあるなら、生まれた子供に1000万配ってるほうがはるかに簡単です。

他の文化の尊重と同化政策

同化政策は、移民政策では必ず必要なものです。「郷に入っては郷に従え」の通りで、ある国からある国へ移民するからには、必ず同化しなければなりません。それができない人を大量に受け入れると社会が壊れてしまいます。

他の文化を尊重することと、同化を促すことは決して矛盾することではありません。

例えば母国では銃や刃物を所持する権利と文化があるからといって、それを日本で認めるわけにはいきません。日本に住みたい人は必ず日本の文化伝統法律を尊重し、日本人と同じようにふるまう必要があります。

ヨーロッパで今犯罪率があがったり、移民排斥を主張する極右が支持率を伸ばしているのは、まったく違うバックグラウンドを持った人々、しかも学力や経済力でその国の平均に達していなかった人々を大量に受け入れてしまったからだともされています。

学力と経済力で、日本の平均から大きく下回る人々を受け入れるという事は、犯罪率の上昇を惹起します。学力が高ければ、教育によって生活レベルを自力で向上させることができますが、それも難しいとなると、社会保障に頼るか、日本には今はないスラムができる可能性があります。

日本の過去に学ぶ事ができるのではないか

最近歴史を学んで、中立な立場で日本の統治を分析し、時には評価するべきではないかと思うようになりました。

(そういう事を言うと敗戦国なのに反省していないと言われる可能性があるが、それでも感情を排して歴史的事実を学ぶ価値はあると思います)

世界にはかつて沢山の植民地がありましたが、その中で戦後高い経済力を持つに至った国として韓国と台湾があります。日本は教育と公共財への投資に余念がなく、その土地の人々の識字率をあげて産業をつくり、日本と同じ経済レベル文化レベルにしようとしました。

日本は統治した先で同化政策を行います。フランスでも同化政策を行っていましたが、日本の同化政策はレベルが違います。本当に現地の人々を日本人として扱い、生活レベルも同じ水準にするべく日本側が努力する同化です。

朝鮮では名前のない奴隷階級を解放して名前を作れるようにし、排斥されていたハングルを国語として教えて誰でも読み書きができるようにしたり、台湾で当時問題だったアヘン中毒患者や盗賊をかなり時間をかけて社会にとってダメージがほぼない形で撲滅していった形等は現代でもかなり参考になると思います。

かつてフィリピンを支配したスペインとアメリカは搾取し、インフラや教育にはあまり投資しなかったので、今でもそれを引きずっています。貧困層を作っているのは政治です。それを改善できれば彼らは一市民になれたはずの人々です。

ヨーロッパも搾取し、アフリカは今でも勝手に引かれた国境や対立構造や階級に苦しんでいます。今アフリカや中東からヨーロッパに難民が押し寄せているというのは、キリスト教でいう「撒いた種は刈り取らねばならない」の現実化に見えてしまいます。

もしヨーロッパが、かつて搾取ではなくその土地の人々の生活レベル向上のために努力していれば、今のような状態にはならなかったのではないかとさえ思います。難民移民として押し寄せる人々も、生まれた国が平和で豊かなら、そこに住み続けていたはずだからです。

かつて日本が統治し、次にアメリカが統治したパラオの例を見ると、その国を豊かにするために必要なのはお金ではないという事がわかります。

アメリカはパラオにお金だけ渡して、日本のように強くかかわる事はありませんでした。放任だったようです。

パンを与えれば、その人はその日1日食べる事ができる。パンの作り方を教えれば、その人はずっと食べていく事ができる。

日本の統治時代、病院や学校等の社会インフラを作るのはもちろん、パンの作り方となる、法治主義の考え方や労働観念や様々な道徳を教えていたようです。(日本の統治は下の階級を作って搾取するのではなく、日本のレベルに引き上げる事だったので、文化レベルや社会レベルで遅れがあれば必然的にそれを改善するべく有形無形の投資をした。当時、人々の生活に一番近くで寄りそう教員や警官らの働きは大きかったらしい。彼らが信頼を集め、教育や法治の概念を教える事で暴力を必要とせずに同化ができた)

発展途上国にありがちな汚職は、民主主義の基礎となる考え方が人々の中に存在しない事に起因します。そこから教えないといけないし、守れるようにならないと、その次の段階には進めません。

逆にもしそれが人々の中に存在するようになれば、一度国土が灰塵に帰しても何度でも復活することができます。

日本は古代移民大国だった

一つ間違いないのは、古代の日本は移民大国だったという事です。それが長い歴史の中で日本人という一つの民族に統合されていきました。そして様々な地域から持ち寄った文化や知識を用いて、日本の技術や文化を高いレベルにまでおしあげ、現在もなお非常に道徳心が高い国民性をもち、文化伝統歴史を紡ぎ続けています。

どうしてそういう事ができたのか、私は歴史学者ではないのでよくわかりません。

大陸等では普通、一番強い集団が他の集団を滅ぼして、統一してしまいます。滅ぼされた側は皆殺しにあったり奴隷になったりします。

しかし日本では話し合いや婚姻によって統合していきました。だから強い側は弱い側を奴隷にはしませんでした。さらには、一番のアイデンティティである宗教でさえ、否定せず押し付けず、出雲大社のように残しています。日本は他の文化伝統を尊重して保存し、結果八百万の神々というような状態になっています。諏訪のあたり等は、ユダヤ教的なものがあるので迫害されたユダヤ人がはるばる極東にまで来ていたのではとさえ言われています。

そうした状態をなぜ作る事ができたのか、なぜそれで分裂もせずに、滅ぼされもせずに、2000年以上の歴史を守って今にまで至るのか、わかりません。もしわかれば応用がきくと思うのです。

もし日本の古代の英知がわかれば、現代のこの問題にもうまく対処できるかもしれません。

移民受け入れ政策の費用便益分析 から

提言1 観光やビジネスを目的とする外国人は極力受入れを拡大するとともに、定住
目的の外国人については、日本の国益の観点から選択的に受け入れるべきで
ある。

提言2 外国人高度人材を優先的に受け入れ、わが国に滞在し、国内外を移動しながら
自由に活動できる諸条件を整備せよ。

提言3 狭義の不熟練労働者の受入れは今後とも慎重に対応する一方、日本人だけで
は供給困難な職種を特定して、その人材開発と資格取得を支援せよ。

提言4 「経済連携協定」における外国人受入れ条項の条件の柔軟化を図るとともに、
就労を認める分野を順次拡大せよ。

提言5 社会統合政策を外国人政策の第二の柱とし、国と自治体が連携する効果的な
実施体制を確立せよ。

提言6 日本語能力を持たない外国人に対し、地域における日本語学習の機会を保障
する体制を整備せよ。

提言7 秩序ある労働者受入れと労働者保護のために、「外国人雇用法」を制定すると
ともに、二国間「労働協定」を締結せよ。

提言8 「社会保障協定」の締結を促進し、国内外を移動する日本人及び外国人に配慮
した社会保障制度とせよ。

提言9 永住外国人への地方参政権の付与は、憲法違反の可能性が高く、政治的にも懸
念を抱かせる要素があり、慎重な議論が必要と考える。

ここから、移民受け入れをめぐって次のような論点があることが分かる。

・ 移民の選別基準 … 高度人材のみ選択的に受け入れるべきか否か。
・ 移民の職業選択 … どのような職種で就労を認めるべきか。
・ 移民の社会適応 … 移民を日本社会に適応させる受入体制をどう整えるか。
・ 社会保障制度 … 移民を組み込んだ社会保障制度をどう整えるか。
・ 治安への影響 … 治安悪化への懸念にどう対応するか。

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