Netflixの非常識で最恐だが、最強な人事

社員のモチベーションを上げるのはインセンティブより同僚の優秀さ

Netflix(ネットフリックス)はITバブルがはじけたときに社員の三分の一を大量解雇したことで人事について大きな発見をしたそうです。

大量解雇の結果

人員は減って、作業量は二倍になったのに

何故か社員のモチベーションが上昇して、会社に行くのが楽しくて仕方ない!という状態になっている。

そんな矛盾がNetflixの非常識な人事の原点だそうです。

人を減らした結果一人一人の労働量は増えて、条件は悪くなったはずなのになぜか社員が活き活きしはじめている…。その原因は、

会社に非常に優秀な人間しか残っていなかったから

だそうです。

組織の中ではパレートの法則が働き、非常に優秀で良く働く2割が残りの8割の分まで生産していると言われます。

アリの観察で発見されたこの法則は様々な集団で見られる事がわかっています。

ですが、アリとは違い、優秀でよく働く2割にとって、

働かない人のカバーをするのはとてもモチベーションを下げる活動です。

本当は自分の業務に集中してもっと結果をだせるはずなのに、働かないアリの分まで良く働く2割が生産することになると、それだけで非常に不満が募り、優秀な人材であればあるほど流出しやすくなります。(人間には感情があるのでアリのようにはいかないようです)

けれど全員がスーパーハイパフォーマーだったらどうでしょう。

アメリカのヒーロー映画のような「全員一騎当千の兵」みたいなドリームチームを実際に作ってみた結果、全員のやる気がさらに向上して生産性が上がった!というのがNetflixの人事です。

これはボーナスを与えるよりもはるかに社員のやる気と会社への愛着や同僚への敬意を上げる結果になったそうです。

会社に行けばドリームチームの一員となって素晴らしい活動ができる!

それこそが非常に優秀な人材を引き留める最大の動機になる!というそれまでの人事の常識からは外れたことをNetflixははじめました。

社員のやる気を引き出すのに、福利厚生も学習機会もボーナスも必要ない。

一緒に働く人間が極めて優秀。

それが最高のインセンティブになる!それがNetflixの発見であり高い成長率をたたき出す原因になっているそうです。

ハイパフォーマー以外は積極解雇

ハイパフォーマーしか雇用しつづけない。というNetflixの人事は一見苛烈です。

四半期に一度、その人物が会社にとって価値のある人物かどうか判断されて、

その基準に満たないと解雇されます。

四半期に一度です!

会社に安定を求める人が聞いたら震え上がるような短いスパンで結果を出し続ける必要があるのです。(昔結果を出したからといって、その後結果を出せなくなると解雇)

けれどそれによって激しい新陳代謝が生まれ、そこには常に非常に優秀な人材しかいない状態ができ

同僚への強い尊敬と、このドリームチームなら皆で協力して素晴らしい成果を出せるようになる!という強いモチベーションが生まれているそうです。

Netflixの人事はプロ野球チームのようです。その選手がどのくらい活躍できるかを重視して,常に高い成績をたたき出せる最高の状態にしておくのが人事の務めだと考えているようです。

そして、それほど容赦ない環境であるにも関わらず多くの人がNetflixで働くことを希望します。

そこに集う人々が求めているのは、成長の機会です。

お金では一流の人は引き留められないそうです。GAFAと優秀な人材を奪い合うNetflixでは、もちろんそれなりの金額を用意するそうですが、他の条件ではGAFAに負けてしまう事もあるようです。それでもNetflixで働く意味を見出してもらうために、Netflixは「働く楽しさ」を追求できるような労働環境を用意しているようです。

一流人材であればあるほど、仕事に「楽しさ」や「やりがい」を求めて仕事を探すようです。(そのためなら給料が安いスタートアップにも嬉々として移るそうです)

彼らが納得できるほど楽しい仕事を提供するというのは、もはや職場というより遊び場的な発想です。ですがその遊び場は普通の人が考えるほのぼのとした楽しさではなく(仕事に仕事以外の価値を求める人はレベルが低いのでドリームチームには入れない)、厳しさと成長をもたらす「仕事を通して本気で遊ぶ場」のようです。

成長ほど、強い動機になるものはありません。おそらく金銭よりも強い動機になります。

何故なら、およそ全ての人間は成長して何かを学ぶために生きているからです。

自由と責任の文化

Netflixは社員に対して何の責任もない。あるのは顧客や株主に対してだ。というドライな考えを持っているそうです。

会社は社員に対して雇用責任があるという日本の労働者を嬰児のように保護しようという考え方とは大きく異なります。

ですがだからこそ社員と対等に向き合えるそうです。

そして福利厚生も手厚くしない(ムダだと考えているそうです)、人事は苛烈、そんなところに入ってくるのは

良い仕事がしたくて仕方ない人物です。仕事大好き人間です。

会社にとっても、社員にとってもある意味理想かもしれません。

Netflixほどの厳しい環境だと、仕事に安定を求める人や、パレートの法則の働かないアリのような人達はまず入ってこれません。

彼らは仕事以外のものを求めていますが、Netflixではそういうものを用意しないからです。

さらに

Netflixの中ではそれほどのハイパフォーマーが集まっているので一人一人を尊重し、

上下の別なく誰でも自由に発言できるような文化を作っているそうです。

そのため、どこでも喧々諤々の議論をしているのがNetflixの文化だそうです。そうした自由と責任の文化を作り上げることをNetflixは重視しているそうです。

会社と従業員は親子ではない

日本ではずっと会社が親で、従業員は子供で、その生活を会社が見るような終身雇用が続いていました。(壊れましたが)

そのため、今でも少なからず就職先に「安定」を求めてしまう人がいるのは事実です。

終身雇用は、従業員が会社に忠誠心をもって働く事で高いパフォーマンスを発揮することを期待して行われていたらしいのですが、実際はそう思い通りにはいかなかったようです。

いつからか自虐ネタで「社畜」とかいう信じられない言葉を積極的に使う人たちが現れました。エンタメ作品まで社畜ネタを扱い始めてアニメ化するものまであるので、企業の期待とは程遠く、その意識たるや、会社への忠誠心とはまったく違うもののように思われます。

経営者だけが夢を語って、従業員は日々の暮らしを心配している。

という意識のすさまじいズレが多くの会社で発生しているようです。

経営者や管理職が旗を掲げて社員を動かそうとしても思うように動いてくれないとか、社員は自分の生活や賃金のことばかり考えて、挙句には会社の愚痴ばかり言い始めたりという事がおこっているようです。

中小企業なら、まだ経営者と従業員が近いのでそういうことはおこりにくいと思いますが、人が多くなればなるほどこういうことが起こりやすくなるようです。(パレートの法則の働かないアリが増えるからじゃないかと思う。これを起こさないためには少人数グループにして全員に責任ある仕事を振る方法があるようです)

それは従業員と経営者の見ているものが全く違うのに、

雇用の安定を保障していたからだと思います。

おそらく会社の愚痴を言ってしまう人は仕事に本気になれないのです。

もしかすると就職したものの、業務が向いていなかったのかもしれません。思うように高いパフォーマンスを発揮できないせいで不満がつもり、さらに思うように仕事で結果をだせなくなっていき、つい愚痴を言ってしまうのでしょう。

Netflixでは、結果を出せない人物は積極解雇されていくし

不満は上下の別なく言い合い、激しく議論するので

集団の士気は常に高いまま維持されているそうです。残っているのは全員がハイパフォーマーで、しかもそれぞれに結果を出そうという強いモチベーションを持っている人々です。

生産性は常に高いまま維持され、すさまじい業績をたたき出しつづけています。

 

Netflixのような人事は、日本では受け入れられにくいものだと思います。

終身雇用の維持ができないと経営者が発言しただけで炎上してしまうからです。(なんで燃えるのかよく分からない。一企業に政府的な役割を期待しているのだろうか…)

社員をずっと雇い続けて社員の生活を守るというのは営利企業の役割としては、いささか重すぎる気がします。企業は儲かるときもあれば儲からないときもあります。政府のように税金を徴収して社員を手厚く保護できるわけがありません。そのためリストラに踏み切るのは仕方のないことだと思います。

生活の保障は様々なセーフティネットがあるのでそれで行うべきもので営利企業の責任ではありません。

役割分担がはっきりしていた方が、それぞれがきちんと機能しやすくなります。

同僚が非常に優秀だと「安心する」

心理的安全性を重視する企業は多く、Googleも最も重視しているものだと言われます。

Netflixではどの立場であろうと、同レベルで激しく議論し、経営陣にも積極的に発言することを奨励しているようです。

心理的安全性」とは、他者からの反応に怯えたり、羞恥心を感じたりすることなく、自然体の自分をさらけ出すことができる状態を意味する。 2015年に米グーグル社が、「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表したことで注目を集め、以降は心理的安全性に多くの企業が関心を寄せている。

日本的労働環境では、簡単に解雇されないというのが心理的安全性の一つだったのかもしれません。

だから終身雇用によって、安心して働けるように、という事だったのだと思います。

ですが、職場の人間が「全員一騎当千の兵」という状態もまた心理的安全性になる、ということをNetflixは示しているように思います。

Netflixはエンターテイメントという浮き沈みや競争が激しい分野の企業です。

その業界で何か仕事をするためには、同僚の才能への強い信頼が必要です。

この分野の仕事はあの人にまかせておけば、最高の仕事をしてくれるだろう。という信頼感があれば、お互い背中は預けた。という状態を作れます。

これがチームを作る意義だとNetflixは考えているようです。

仕事を振るときに、安心して投げるためには信頼が必要です。

相手が非常に優秀で、才能への強い信頼があれば、仕事を投げている間はそれぞれ自分のやるべき事に没頭することができます。そして協力して一人ではできないことを成し遂げることができます。

それに相手がハイパフォーマーだと、自分も負けてはいられないという気になるものです。

もしハイパフォーマー以外が入ってしまうと、能力差による劣等感を感じ始めたり、足を引っ張り始めたりします。

一般的に組織の中では嫉妬がうまれやすく、仕事内容とは無関係なそちらで頭を抱える人が少なからずいるようです。様々なレベルの人材が集まると必然そうなるのだと思います。

だから高いレベルの人間以外をはじくのは、ハイパフォーマー同士の心理的安全性の確保には必ず必要なのだと思います。

そしてNetflixは容赦のない積極解雇によって、「会社の責任として」ハイパフォーマー以外を排除していきます。

プロ野球チーム的な感じです。

(これはとてもドライで明快なので何のために働くかを常に労働者も自問することになります)

解雇できるのは会社以外にありません。でも会社がその決断をしない場合、使えない人はチームの中で仕事を与えられず、次第に不満を口にするようになってしまいます。嫉妬や足の引っ張り合いのような人間関係のよどみが発生することもあります。会社が決断しないから、現場がそういうふうになっていくのは仕方のないことのようにさえ思います。

どうしてもそういう事が起こってしまうのなら、

会社は解雇という決断をして組織を常に新鮮で活気がある状態に保たなければならないと思います。

それが残る人々にとっても、辞める人々にとっても必要な決断であるように思います。

Netflixの円満解雇

四半期に一度、その人物が会社にとって価値があるか判断するNetflixでは

実は円満解雇を掲げています。

Netflixで働けなかったからといって、他の会社で働けないわけではないからです。

そのため、Netflixで働けなくなった人を他の会社にあっせんするようなことまで行うようです。

ですが、これほどの事ができるのも

Netflixが採用にこだわっているからだと思います。

一人一人の社員がとても優秀だということがわかっているからこそ、他の会社にも推薦できるのでしょう。

これもまたNetflixの非常識な文化の一つなのかもしれません。(普通の会社は自分の会社の優秀な社員をライバル会社にあっせんするような事はしないので)

Netflixの「真に優秀な人材がその才能をいかんなく発揮できるように」という姿勢は非常に参考になります。また彼らが本気で「仕事を通して遊ぶ(高いパフォーマンスを発揮する)」ために職場を整え、チームを整え、環境を整備しているようです。

今回紹介したのはごく一部です。

他にもいろいろな事についてこの本には書かれています。↓

最強クリエイティブチームを組織して率いるためには何をするべきか、人事という面から多くの事を学べると思います。

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